この雨じゃあ帰れない

「…傘持ってたっけ。」

とりあえず玄関に向かおう。


階段を降りる。

ふと、右ひざを見る。

「あ、雨音!今帰り?」

声をかけられた
すっと耳に入る高い声。
でも、この声を嫌だと思ったことはない。

「うん。
今日も病院行くんだ」

「そっか…。
もう部活には来ないの?」

「…多分ね。また明日ね
真白。」

「うん。
バイバイ!

…無理しないでね」

「…ありがと。
バイバイ」