ドッキリ。夢。死んだのか。否、現実である。いつもしっかり開眼することのない私の目がこれでもかと言わんばかりに開いている。今なら目にゴミが入っても気付かない。
「大寺原 朝子さん。3年D組…みたいだよ?」
私のすぐ後ろから控えめそうな、でも凛とした声が聞こえた。話しかけられて現実に戻ってきた私を上品に口を閉じたまま笑う人がいた。
天使…というのはこのことだろう。私と同じ黒髪だが癖はなく、目に少しかかる前髪も計算されたかのように揺れている。髪と髪の間から見える目は大き過ぎず、でもすべての光を吸収したかのように輝いている。目線が同じくらいの高さで、相手も私を見つめていた。なんて綺麗な女の子なんだ。同じ性別ということすら恐れ多い。むしろ同じ人間とは思えない。あまりにも凝視しすぎたせいか、その子が
「何か、俺についてる?」