「甘いな。」
姫宮君が呟く。まるで私の頭の中を読み取ったように。
「お前が、僕のこの性格をみんなに言いふらしたとする。でもこの性格を見抜いた、または見た奴なんて誰もいない。僕はみんなからの信頼もある。逆にお前の立場の方が危うくなるんじゃないか?クラスで女子に人気者の王子君を好きな上に僕の悪口を言う朝王子。女子の敵だな。一斉攻撃されて、はい、おしまい。お前の負け。」
スラスラと棘のある台詞を吐く姫宮君は悪魔だ。私は冷や汗をかきながら姫宮君の話を聞いた。強く握りしめた拳にさらに力を加え、
「王子君のことは誰にも言わないで…」