放課後の教室。オレンジ色に何もかもが染まる中、私の頭の中だけは真っ黒だった。目の前にいる人は姫宮君のはずだが、顔付が全く違う。目に光はなく、三白眼になっている。片方だけ口隅が上がり、天使だった彼は悪魔になっていた。まさか二重人格。と、思ったところで吹き出す姫宮君。ひとしきり笑った後でいつも出す声より低めのトーンで
「そのアホ面、傑作だな。いつ、誰が、この教室に来るかもわからない、そんな状況で声に出して告白とは大したもんだ。」
目を思いっきり開きギラギラさせながら話す姫宮君。私は後悔した…と同時に私も姫宮君のこのドス黒い本性を知ることができた。これを皆に言いふらすと脅せば私の告白も聞かなかったことになるのではないか。