王子と姫と王子と



教室の扉が開く音がした。顔を教室の入口にものすごい勢いで向けた。首が外れそうなほど。そこには


姫宮君がいた。私を見て驚いた表情をしている。
「王子君…のこと好きなんだ…」
聞かれてしまっていた。石になったように硬直する私に向かって姫宮君は言った。
「大丈夫、誰にも言わないよ!!大寺原さん頑張って!!」
完璧な笑顔で私に言ってくれた。天使のように笑っていた姫宮君に夕日があたる。綺麗な顔に影ができた。