放課後、みんながいなくなった教室に1人で座っていた。一日しかまともに話してないのに王子君のいろんな一面を見ることができた。前まで遠くから見つめて何を話しているのかさえ分からず、こっちを向いて欲しいと願っていただけだったのに。以前にも増して王子君のことが好きになった。溢れて出てくるこの感情をどうやって抑えたらいいんだろう。私は自分の席から離れた。椅子を引く音が誰もいない教室の中響く。王子君の席の目の前に立ってみる。王子君は今はいないけど、存在した空気が漂ってる気がした。なぜだか苦しくて泣きそうになりながら、絞り出すように言った。誰もいない教室で
「私は王子 照吾君が好きです。どうしたらいいの…」
