教室に着く頃には私の周りにも女の子がそれなりにいた。たわいもない会話をしつつ、私の一挙一動に嬉しそうに反応する子たちを見て少し罪悪感さえ覚える。本当はみんなみたいに恋してるんだよ。しかもこの見た目で王子君にだよ。そう言ってしまいたくなった。
そんな空気をかき消すように真後ろから担任の教師らしき人が名簿を片手に大股で入ってきた。先ほどまで一緒にいた人達がバラバラと散らばって行き、教師が教卓に着く頃に立っている生徒はほとんどいなくなった。