思ったより高い。桜は満開。どうする私。とりあえず助けを呼ぼう。大通りまであと10歩くらいだからきっと誰か気付いてくれる。息を沢山吸って大声を出そうとした時
「大丈夫…っすか?」
下から声が聞こえた。高所恐怖症ということもあり少しばかり取り乱していた私は、
「あの…子猫が…あの…」
とわけのわからない事を連呼していた。でも下にいた少年は動揺もせず穏やかに
「子猫キャッチします」
ゆっくり投げてと、私を落ち着かせるように声をかけてくれた。そーっとできるだけ地面に近くなるように手を伸ばし、子猫を少年の方に落とした。それを少年は優しく抱きとめた。