人魚が弁解しようとしたときタイミングを見計らったように“海斗”と呼ぶ女のコの声がした。

(海斗…?)

「紗菜…」

王子…もとい海斗が驚いた顔をする。

(王子くん、海斗っていうんだ…)

「私っ
やっぱり海斗がいないとダメなのっ!!」

「「!!」」

「海斗がいないと心に穴が開いたみたいで…
新しい女のコがいてもいいッ!!」

紗菜が人魚を一瞬見る。