名前も知らない王子様


「でも私には似合わないなぁ…」

心で思ったことを思わず口に出した人魚に

「そんなことないよ」

と一喝。

「えぇー?
絶対私っぽくない!」

(たまにはこういう可愛いのもいいと思うけど、私には似合わないからなぁ…)

「そだッ
この先にもいいお店あるの。
そっちも見てみてくれない??」

「あ、うん…」

少し残念そうな顔をしつつも人魚と一緒に出て行く。