ゴールデンウイークが明けた週末、やっと楽団の練習に参加できた。
「真由ちゃん!久しぶりー!」
ドアを開けると、柳さんが走り寄ってきた。いつもの調子でふざけながら、抱きつこうとする。
「やめろ!」
後ろに立ってた彼が、マジメな顔で退けた。それを見て、ハルシンが笑う。
「もっさん、どれだけ真由のこと好きなっスか!」
「ホント!マジになり過ぎ!」
知らない二人は笑うけど、柳さんは彼の気持ちにちゃんと気づいてて…
「…分かったよ!もう触んねーよ!」
両手上げてこっちを向いた。
にっこり微笑む。すると、納得したように微笑み返してきた。
「あーあ…俺も彼女欲しいなぁ…」
ボヤキながら背中を向ける。彼と目を見合わせて、小さく笑った。
心配する必要なんかない。柳さんと彼はライバルであり、親友でもあるから。
「おーしっ!今日もはりきって練習すっぞー!」
柳さんの号令で皆が集まる。
初めて参加した時と同じ。たくさんの音が集まる場所。
そして……
「今日も一段と激しくぶつかってるわね。あの二人…」
同じフルートパートの石澤さんが囁く。喧嘩してるみたいな音の交錯。初めて聞いた時は、ホントに驚いた。
「相変わらずですね…変わんない」
私が休んでる間も、ずっとこんな調子だった…と聞かされた。
作り上げていくメロディーの為の語り合い。
プライドの高い二人だからこそ、折り合いがつかない時もあるけど…
(あ…音が揃った…)
聴いてると分かる。まとまっていくメロディー。私達の曲が、出来上がっていくーーー。
久しぶりの練習室で、たくさんの音がぶつかり合う。
その音の中で、私は生きてることを実感する。
初めて会ったあの日のように、彼の語りに包まれながら……。
…ねぇ理さん…
いつかまた、二人で演奏できたらいいね。
…あの星空のように、キレイなハーモニーを響かせてーーー。
「真由ちゃん!久しぶりー!」
ドアを開けると、柳さんが走り寄ってきた。いつもの調子でふざけながら、抱きつこうとする。
「やめろ!」
後ろに立ってた彼が、マジメな顔で退けた。それを見て、ハルシンが笑う。
「もっさん、どれだけ真由のこと好きなっスか!」
「ホント!マジになり過ぎ!」
知らない二人は笑うけど、柳さんは彼の気持ちにちゃんと気づいてて…
「…分かったよ!もう触んねーよ!」
両手上げてこっちを向いた。
にっこり微笑む。すると、納得したように微笑み返してきた。
「あーあ…俺も彼女欲しいなぁ…」
ボヤキながら背中を向ける。彼と目を見合わせて、小さく笑った。
心配する必要なんかない。柳さんと彼はライバルであり、親友でもあるから。
「おーしっ!今日もはりきって練習すっぞー!」
柳さんの号令で皆が集まる。
初めて参加した時と同じ。たくさんの音が集まる場所。
そして……
「今日も一段と激しくぶつかってるわね。あの二人…」
同じフルートパートの石澤さんが囁く。喧嘩してるみたいな音の交錯。初めて聞いた時は、ホントに驚いた。
「相変わらずですね…変わんない」
私が休んでる間も、ずっとこんな調子だった…と聞かされた。
作り上げていくメロディーの為の語り合い。
プライドの高い二人だからこそ、折り合いがつかない時もあるけど…
(あ…音が揃った…)
聴いてると分かる。まとまっていくメロディー。私達の曲が、出来上がっていくーーー。
久しぶりの練習室で、たくさんの音がぶつかり合う。
その音の中で、私は生きてることを実感する。
初めて会ったあの日のように、彼の語りに包まれながら……。
…ねぇ理さん…
いつかまた、二人で演奏できたらいいね。
…あの星空のように、キレイなハーモニーを響かせてーーー。