「おまえ、どこの者だ」

「随分と綺麗な奴だな」

 間近で見るナシェリオに改めてその価値を見い出したのか、口元をだらしなく緩ませている。

 四人の男たちは手に手に大きな剣を持ち、丸腰のナシェリオとの距離を少しずつ詰めてゆく。

 襲い慣れているのだろうか、相手が逃げた際の分担も出来ているようにナシェリオは思えた。

 そうしなければ生きてはいけない風情ではない、男たちは確実にそれらを楽しんでいる。

「痛い思いしたくなけりゃあ、金目の物を置いていきな」

「そんなものは無い」

 逃げるようにしてあの場所から離れたのだ、荷物もまだそこにある。

「そうかい」

「だったら体で払いな」

 もとより、そのつもりだった事はその顔つきから明瞭に示されている。