いくら旅に出たいとは言え、やはり独りでは不安がある。

 知恵があり魔法をも使えるナシェリオは頼りになるはずだ。

「君は強い。だから私がいなくとも一人で旅が出来るだろう?」

 目算していた答えに反し、突き放されたような言葉に愕然とした。

 足手まといでしかないと考えていたナシェリオにとっては正直な心情であったのだが、ラーファンは見捨てられたようで酷く胸が痛んだ。

「なんだよ、それ」

 ナシェリオが臆病なのは知っている。

 だけれど俺がいるじゃないか、俺がお前をずっと守ってきたんだ。

 これからも守ってやれるのは俺だけだというのに、どうしてそれが解らない。