英雄の天意~枝葉末節の理~

 それに眉を寄せ、眼前にワイバーンを見つける。

 まさか逃げてはいなかったのかと驚いて駆け寄り、甘えるその首をさすった。

「ソーズワースも待っていますよ」

 途絶えることのない贈り物はあなたに敬意を抱いているからこそ、続けられるものなのです。

「そうか」

 それにやや目を丸くして応え、再び大地を見回した。

 肌を刺すような冷たい風はやわらかく命を育むものと代わり、凍えた土が溶けてぬかるみナシェリオの足をわずかに沈める。

「先が楽しみだ」

 変わりゆく大地に微笑みワイバーンの背にまたがる。

 閉ざされていた地は解き放たれ、その名残りを忘れないようにと深く息を吸い込み心に刻みつける。

 このさき、この地を巡って争いが起きるかもしれない。

 そのとき私はどうしているのだろうか、私はどうすべきなのか。