「この世界はことごとく俺が嫌いらしい」

 シュロタスタルは古代文字を浮き立たせ、少しも無駄にはするものかと言いたげに高い音を響かせる。

「ラーファン!」

「お前は──また、俺を殺すのか!?」

 悲痛な叫びに瞬刻、力が緩まるも直ぐにそれを戻し瞳を険しくした。

「赦せなどとは言わない。これは、私の責だ」

 君の意識を変えることが出来なかった。

 己の想いを押し殺した。

 それらを成せていたならば、こんな形で再会することはなかっただろう。

 その本質に気付いていて、見えない振りをしていた。

 けれどももう、ここには「もしや」などは存在しない。

 逃げた現実があるだけだ。