英雄の天意~枝葉末節の理~

 人のままでいられるのなら、私はそれだけでいい。

 けれど、私はどうしてそこまで人でいようとしている。

 この期に及んでも私は何故。

 そして解っているのだ。

「それが、赦されるはずもなし──っ」

「ならば叩き伏せるまで!」

「ぐっ!? ──っう」

 剣を大きく弾かれ、エネルギーの渦と共に壁際まで飛ばされる。

 踏ん張っていた足が床を削りそれが煙となって舞い、ナシェリオの姿を隠した。

「解るだろう? お前は俺には勝てない」

 強調するように、勝ち誇ったように左の拳を強く握る。

 そうだ、こいつは軟弱者だ、俺に勝てるはずがない。

「お前は昔のように俺に従っていればいいんだ!」

 そう叫んだとき、全身に圧を感じてナシェリオがいるであろう位置に目を凝らす。

 未だ煙の舞う場所から地響きがし、二つの黄金色の輝きが現れた。