「君は本当に──」

「俺とお前ならば、程なくして世界を掌握できるだろう」

 ことごとく蹂躙せしめ、逆らうことがいかに愚かなのかをあらゆる存在に見せつけたのちにこの世を破壊し、新たな世界を創造するのだ。

 俺は世界の創造主となる。

「ラーファン!」

 恍惚と天を仰ぐ友に形容し難き災厄を感じ、考えるよりも先に抜いた剣を振り下ろす。

 ラーファンは赤い瞳をぎらつかせ、こうなると解っていたのか同じく剣を抜きそれを受け止めた。

「君は、何かを憎まなければこの世界を見ることが出来ないのか!?」

「何もかもを持っていた貴様が言うのか」

「なに?」

「剣も、魔法も、才能も、邪魔者すらいない貴様はどんなにか恵まれた存在だったか解るまい」

 俺が欲しかったもの一切をお前は持っている。なんと腹立たしいことか!

「邪魔者だって?」

「ことあるごとに俺のやることに反対し、あいつらは俺の出世の邪魔をする煙たい存在だった」

 ラーファンが両親を疎ましく思っていたことは知っていたけれど、そんな風に考えていたなんて──!?