「彼女はあなたを慕っていたようね」

 私があなたとの思い出について尋ねると、とても嬉しそうに夕日色の瞳を輝かせていたわ。

 他の誰よりも聡明で手先がとても器用だから、あんなことがなければきっと凄い細工職人になっていただろうとその光景を浮かべたのか顔をほころばせた。

「そしてこうも言っていたの。あなたを想い、独りで居続けると」

「──何故」

 初めて聞かされたレイアの感情に声を詰まらせる。

「彼女は知っていたのね。あなたが村を去った理由を」

 彼は優しい人だから、村のみんながああなってしまったのは、きっと自分のせいだと思っているのでしょう。

 彼がいなくなってしまったことはとても寂しいけれど、嬉しくもあるんです。