あれほどに胸を躍らせた風景はナシェリオから全てを奪い、暗く闇の縁に立っているように重々しく流れてゆく。 村の人たちにどう説明すればいいのかと、そればかりがナシェリオの心を満たしていた。 馬のために時折休憩するも、食欲がまるで湧かないことに己の体の変化を知る。 試しに干し肉をひとかじりした。 味覚に変化はない。 それで理解したのは、今までの食欲とは異なるということだ。 ゆっくりと腹は減るけれども、特定の何かを食べたいという強い欲求が希薄になっている。 次に気がついたのは身体能力だった。