英雄の天意~枝葉末節の理~

 どれくらい気を失っていたのかは解らないが目を覚ました時にはドラゴンの姿はなく、何事もなかったような周囲に夢だったのかと呆然とするもふと、視界に入った消し炭の塊に胸は急激な苦しみを覚える。

 痛みに耐えきれず、ここから逃げ出したくて闇雲に走った。

 しかしどんなに走っても、己の胸ぐらを掴んでもその苦しみは吐き出せず。

 どうして殺してくれなかった、私がお前に何をしたのだと呪いめいた言葉を繰り返す。

 どこをどう彷徨ったのかは解らない。

 気がつけば古代の街跡にたどり着き、そこで手にした剣と共に洞窟に戻ってきた。

 そうしてどうにか正気を取り戻し、ラーファンをこのままにしてはおけないと再び心を壊さないように幾度か深く呼吸する。