[強すぎる力を有したが故に、限りある命を持つこととなった。然れども惜しむらくは、我を受け継ぐ者がおらぬこと]

 この世界と共に生きてきた。

 流石に長らく生きすぎた、ここに至り死す事に恐怖はない。

[我の力を人間が受け継ぐとどうなるか]

 レフタルナはナシェリオにずいと顔を近づけて鼻を鳴らした。

「なに──?」

[おそらくは受けきれなかったエネルギーが体内を巡り、その身を不死へと変えるだろう]

 途絶えることが無いというのは、なんとも康寧(こうねい)であるとは思わぬか?

「よせ……」

 ドラゴンが何をするのかナシェリオは次第に気付き始めた。

 小さな動物が蚊ほどの攻撃を与えただけで、そんな大きな罰は必要ないだろう!?