「そうだな。」

んっ…もっと言うことないの?
何か話題ないかって探してたのに。


「何でそんな離れてんの?」

「別に、いつもと一緒じゃん。」

えっ?近寄れって言うの?

「手」

「えっ?」

「手、貸せよ。」

貸すものじゃないしっ。
てか手…。


手を拓海の方に差し出すと、ギュッと握ってきた。

「んっ」

「この方があったかいだろ。寒そうにしてたし。」

「あぁ…」

私が手を擦っていたの見てたんだ。

私のほう、全然見てこないから。


私の手を握る拓海の手は大きくて、温かかった。

拓海に思いを伝えたい。


「拓海っ」

「ん??どうした?」

目を向けたら、拓海が優しい目で見てきた。