「高橋くんっ」

「あっ、永瀬さん。土曜日、楽しかったよ。ありがとう。」

「こちらこそありがとう。素敵なお店にも連れて行ってもらっちゃって。」

なんか言いづらいなー。
でも、言わなきゃ。


「あのね、高橋くん。」

「そうそう。クリスマスなんだけどさ、ここ行ってみたくない?」

「えっ?」

言おうとした瞬間にクリスマスの話。

まるで今から何を言うか分かっててしてるみたい。


「そのことなんだけど…」

「ケーキも食べようね。チキンとか好き?」

「うん。好きだよ。」

「だよね。じゃあ、このお店いいかもだな。」

私と行くために買ったのかな。
クリスマス特集の雑誌を見ながら、ワクワクしてる高橋くん。