「明日の10時までに出掛ける用意しとけ。」


命令。
しかも、私の予定も聞かない。


どこに行くかも聞かされない。



自分勝手なやつなのは知ってたけど、酷すぎるよ。


「わかった。」


「お前、いつもみたいに聞かないんだな。」

「どうせ聞いても応えてくれないでしょ。」


「いや。教えるよ。」


えっ?

珍しい。 


「兄貴がお前に会いたがってた。」

「お兄さんが?」

ヤッター!

嬉しい!!


「何だよ。」

拓海は機嫌悪かったけど、私は嬉しかった。


だって、お兄さんはすんごく優しくて、私にたくさん遊んでくれたから。

拓海も見習えばいいのに。


「じゃ、そういうことだから。」

「はーい!」


ソワソワ…。