「断れ。」

「なんで?」

何で拓海に決められなきゃいけないのよ。

「いいから、断れ。」

何よ…。

全然優しくしてくれないじゃない。


「もういいよっ。」

私は自分の教室に戻った。


「どうだった?」

「反対された。でも、無視する。」

「反対ねぇ~。」

他人事みたいに笑う。

もうちょっと心配してよ。

「あんなやつ、ほっとくし。」

「いいんじゃない?」

聞いてないでしょ。
ケータイいじりながら返事してるし。

まぁいいけど。


それから、放課後。

私は教室に待っていると、
拓海が来た。

拓海、言ったのに。

「帰るぞ。」

ちょっと待ってよ。
言ったじゃん。

「待ってよ!今日は高橋くんと帰る…」