遠山帝雅(トオヤマタイガ)。 この学年で、彼の名前を知らない人はおそらくいない。 このあたしですら、知っているのだから。 彼は去年、一年生ながらにして、 強豪であるうちの学校のサッカー部のレギュラーを勝ち取った。 そして一年間を通して、他者の追随を許さないぶっちぎりの点数で、 学年一位を守り続けた。 そして、渋谷でスカウトを受けた経験もある(らしい)ほどの抜群のルックスを保持している。 つまり、神様からの寵愛を信じられないくらい受けて生まれてきた、天才優良児なのだ。