あたし、河村純鈴(カワムラスミレ)。
今日、高校二年生になったばかり。
新しいクラス、新しい先生、新しい教室。
あたしも少しは期待に胸を膨らませて………とまではいかなくても、
それなりに淡い期待程度は寄せていたのに。
…………あたしの席は、まさかの一番前。しかもど真ん中。
最悪。
あたしとしては、一番後ろの窓際を希望していたんだけど………。
苗字の都合により、あたしは一番前。ど真ん中。
何でお母さんは河村という苗字を持ったお父さんを選んでしまったのだろう………。
もはやあの万年ラブラブな我が両親に対する怨みが生まれそう。
……………なんて、考えていたのに。
泣きっ面に蜂とはまさにこのことだ。
なんと隣の席があの遠山帝雅だったのである。
これはもう悲劇としか言いようがないのだ。

