嘘つきな背中に噛み痕をアゲル。


詰め寄られ、肩を軽く押された私は、まるでスローモーションのように持っていたスムージーの容器を落としてしまった。
そのタイミングでトラックが納品を終えて、道路へと飛び出して行く。

コロコロと転がる容器と、今にも泣き出しそうな美鈴ちゃんと、返答を黙秘しようとした様子が、はっきりと幹太の瞳に映ってしまった。

大きな車に持っているのは、晴哉が乗っていた車が軽自動車だったからだ。
少しでも広い車にと幹太の家の車庫には不釣り合いな大きな車。

その意味を私は気付かないふりをしていたに過ぎなかった。

「28年愛していた人を亡くしてすぐに、幹太を好きなんて私が言うと思ってるの? 私は晴哉から貰ったものを二年やそこらで忘れて幹太が好きだなんて、口が裂けても言うはずないわ」

そんな事をしたら、幹太もお義母さんもうちの親も、きっと皆呆れてしまうだろう。