「うふふ。分かったわ。バイクで裏口の方に待っているわね」
「分かってないじゃない! 駄目よ。乗れないんだからね」
私が食い下がると、巴ちゃんは背中を向けて手をひらひらと振りながら去っていく。
あの野郎。絶対に、絶対に、すっぽかしてやる。
裏口から帰ってやんないんだから。
乗れないと乗らないでは意味が違うんだから。
「今の人、ちょっと格好良かったね」
向かいのスムージー屋の子が、やんわりとそう言ってくる。
あのオカマ言葉が聞こえなかったからか。
私には、あの何を考えているのか分からない、狐みたいな双眸苦手だけど。
「全然恰好よくないわよ。それより、スムージー、帰ると同時に貰えるようにしてもいい?」
「全然良いですよ―。平日はお客様の年齢層が高いから全然売れなくて暇だもん」
ふふふと笑ってくてれ、早速どれを入れようか考え出してくれて少しだけ和んだ。



