嘘つきな背中に噛み痕をアゲル。


「それなら、私が晴一くん送ってあげるわよ」

ツルツルの頭が閃いたかのように光った。
いや、太陽の光がタイミングよく反射しただけか。

「いえ。原則として身内しか子供の御迎えはできませんので」
きっぱりと私が断ると、オカマは晴一にいないいないばあをしながら平気そうな顔で言う。

「だって、私もちょくちょく春月堂行くし。貴方の家や晴哉の家はその裏でしょ? ついでだし大丈夫よ。困った時はお互い様でしょ?」

私はアンタが困っていても素通りしたいです。

「それなら、幹太にお願いした方がまだマシよ」
「なあんでそんなに強がっちゃうのよ。お礼は海辺デートでいいしい」
「うるさい。寄るな、オカマ」

しっしっとオカマを追い払っていると、保育園の先生がのんびりおっとりした声で言った。

「幹太さんの事、晴一くんが『パパ』って呼んでましたもんね。巴さんの出る幕じゃないですよねー」

パパ?

巴って誰だと一瞬脳裏に浮かんだけれど、それよりも、パパって言葉に反応してしまった。