「あ、やば。保育園迎えに行ってくる!」
呆然としている美麗ちゃんを残して、ボートに外出の峰を書いて、挨拶もそこそこに飛び出した。
そうか。
幹太は、舞踊の跡取り娘だから躊躇しているのかな。
だったら、気にするな、頭が固いなって励ましべきなのかな?
でも、あいつ、私の意見なんて全く聞かないからね。
また余計なことをと不機嫌になりそう。
私たちの意見は合わないから。
保育園へ向いていた足が段々と重くなる。
こんな時、晴哉が居れば。
つい、そう思ってしまう。
晴哉なら、幹太のその小さな悩みも爽やかに笑い飛ばして、軽くしてくれるのに。
大事なのは、お互いが相手をどれだけ好きか。
晴哉ならこれぐらいは言ってくれるかもしれない。
晴哉が居なくなってから、だ。
私と幹太は不安定で、アンバランスで、お互いの意見をぶつけるだけで聞こうとしていない。
間に入って、真ん中を探してくれる晴哉がいないからだ。
でもね、晴哉。
この答えに、真ん中は無いのかもしれない。



