嘘つきな背中に噛み痕をアゲル。




結局、幹太が美鈴ちゃんとデートに行ったことを幹太のおばさんもどう反応していいか分からず、気にしないようにしているようだった。

いつ見ても、着物を上品に着こなしてふんわりと優しい雰囲気を醸し出していて幹太に似ていない。


「春月堂の暖簾は重いのは、美鈴も幹太さんも分かっているからおばさんは何も言わないんだと思いますよ」

美麗ちゃんも、妹の積極的な姿に、寂しそうに笑った。
美鈴ちゃんは何代も続く鹿取家の舞踊を継ぐ。
姉である美麗ちゃんを押しのけてまで、継ぎたいと言った。

幹太は春月堂命だし、昔から私たちと遊ぶよりも店の手伝いが好きだったし。
私たちと同じ高校を行かずに製菓の高校行ったし。

でも。

「別に美鈴ちゃんが春月堂を手伝わなきゃいけないわけもないよね。良いじゃん。お嫁さんが舞踊してても」
「え」
「美麗ちゃんのお父さんは書道家だったし、家の手伝いはしなかったでしょ?」

何で、家を継ぐ同士が結ばれないのか、私にはその価値観がよく分からなかった。