「あ、……すいません」
一瞬、複雑そうな顔をした美鈴ちゃんが、すぐに取り繕って笑顔を貼りつけた。
この子は、このままでも可愛いけれど、これから経験を重ねていくと、もう少し、嘘が上手くなってしまうのだろうか。
というか、私には作り笑いって、もしかして嫌われてたりして。
思わず乾いた笑いが込み上げてきたが、ナイスタイミングで幹太が暖簾を上げた。
「昨日は、悪い」
「いえ。急にお願いした私が悪いので」
もじもじと下を見る美鈴ちゃんの気持ちは私ですら、照れてしまいそうなぐらい分かりやすい。
なのに、幹太の顔は苦虫を噛み潰したような、暗い顔。
怒っているようにも困惑しているようにも思える。
「お姉ちゃんに、今日は幹太さん午前中だけって聞きました。私、駐車場で待っていていいですよね?」
「わ」
思わず声が出てしまい、慌てて口を押さえてけど、ばっちりと二人がこっちを見る。



