嘘つきな背中に噛み痕をアゲル。


「聞きたくねえな」
「幹太さん、どこの式場ですか? 英語のスペル読めません」
「――ったくどいつもこいつも」

幹太が咲哉くんに読み方と式場の地図を描いている間、味見用の和菓子を切っている美麗ちゃんの方へ歩み寄る。

今日は、式場用のお菓子が多く残っているから、珍しく味見も出来るらしい。
一つつまみ食いしようと美麗ちゃんの傍まで近寄ると、分かってたと言わんばかりにお皿を差し出してくれた。

もう滅多にお祝いの席で注文されることが減った紅白饅頭。
うちの紅白饅頭は、縦も横も3個ずつの9個入った小さな饅頭だ。
一口で食べられるとけっこうこの饅頭も売れている。
今年は、小学校の卒業式で配られた。


「あーん、やっぱりおもちの甘さ最高! ようし、も一個」
「あ、駄目です、それはまだ切ってない分――」

美麗ちゃんがそう言うと同時に、入口に自動ドアが開いた。

お客だと二人ですぐに接客しようと身構えて、――固まった。

入口になっていたのは、昨日のオカマの坊主だ。