問答無用でバッサリとそう言うと、私の首根っこを掴んだまま縁側を上がって行く。
あの、礼服が伸びるから離してくれ、
とは言いにくい雰囲気で。

「ちょっとぉ。代理で来たのに帰れるわけないじゃない! どうするのよぅ。晴哉の二周忌は」
「平さんの腰がどんな感じか寺に電話かけてきてもらえるか?」
幹太は、庭で騒いでいる声を一切無視してそう私へ告げる。
お義母さんはのんびりと皆にお茶を出し終わってから、庭に居るオカマへ声をかけた。
「そこの垣根を修理してから帰ってちょうだいね」
マイペースでおっとりしているけど、肝は据わっているんだから一番の曲者だと私は小さなころから思っている。
流石。

「ええ? 法要は??」
「それ以上言ったら、私が殴るわよ」

幹太から暴れて首元を離して貰うと、巴とかいうオカマの元へ歩み寄る。

「私の大切な旦那の二周忌です。雰囲気をこれ以上ぶち壊すなら、私が許さない。出ていかないなら問答無用で殴りますけど」