嘘つきな背中に噛み痕をアゲル。


「お前……」
嘆息した幹太が、巴ちゃんの方をちらりと見る。
「悪かった」
「いいえ。余計な子としてごめんなさいね、色々と」
「ああ」

巴ちゃんに短く謝ったあと、私の方を見て、バイクの後ろをポンポンと叩く。

「俺を信じて、後ろに乗ってくれるか?」
「ええ!?」
「怖いか?」

バイクの後ろを見下ろすと、身体が震えだしてきた。

確かに大きくて頑丈そうなのは分かるけど、怖い。
バイクなんて、車と車の間をすり抜けちゃうし、事故が頭を掠めて――怖かった。

けど。
「乗るわ」
乗る。
乗ってみせる。

勇気を出して、バイクに跨ると幹太がヘルメットを装着してくれた。

「じゃあ、海」
「海?」
「海までドライブ」

昨日、巴ちゃんが言っていたけど行けなかった場所だ。
もしかしたら、二人は海をバイクで見に行ったことが何回かあるのかもしれない。
私が知らないだけで、二人は面識があったんだし。

「やってやろうじゃないの」

幹太は、何か言いたげな視線を向けただけで、またすぐに背を向けた。
私は、震える体を幹太に押し付けて、振り落とされないように必死にしがみつく。

「そんなにしがみ付かなくても、お前を乗せてスピード出さねーから」