「好きな彼女を応援するのも、男の役目じゃない?」

淡々とした口調で、新垣が言った。

「役目?」

俺が聞き返すと、新垣は呆れたようにため息をついた。

何か間違ったことをおっしゃいましたか?

「本当に好きだったら応援しようと思わないの?

彩花の恋を祝福してあげようとも何とも思わないの?」

眉をひそめて、新垣は首を傾げた。

…ああ、そう言うことかと俺は理解をした。

好きならばわかってやれ――新垣が言いたいのは、こう言うことなんだな。

「だな」

そう言って、俺は空を見あげた。

快晴とも言えるくらいの青空が、俺を見下ろしていた。