やはり、俺と堺が仲良くすることをあまりよく思っていないヤツらがいるのだろう。

嫉妬は醜いなと、俺は頭の中で思ってみた。

ここは、タイミングを見つけて堺に思いを伝えなければ…。

この頃の俺は、そう思っていた。

堺に近づきながらも、何とかいいタイミングを探して、彼女に思いを伝える。

けど、そればかり探していたから遅くなったんだよな。

さっさと告白して、つきあってしまえば、後からやってきた人間に堺を取られずに済んだのにな。

課長に堺を奪われることなんてなかったのにな。


「――はあ…」

俺はため息をつくと、後頭部をわしゃわしゃとかいた。

何してんだよ、俺は…。

結局は酒の勢いに任せて堺に告白して、上司に無礼なことを言っただけじゃねーか。

自分の行動を反省するものも、時すでに遅しである。