あれから自分の家にかえり、
黙々と私物をバッグに詰めている。
そう、まるで旅行にでも行くような大きなバッグに。
服やら化粧品やらゴロゴロと。。。
なぜこんなことをしているのか…時は一時間くらい遡る…。
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自己紹介を終えた後、山崎哲也さん、通称テツさんはとんでもない事を口にした。
「単刀直入に言います。ユリさんを転校させたのはあなたのお父様です。」
この発言に、私以外の3人も驚いた様子だった。
「そして、この高校は男子高であり、寮制です。」
「…ウソでしょ…?」
「ウソではありません。それに、お気の毒ですが、ユリさんには選択肢が2つ。
この高校に入り、私達と行動をともにするか、お屋敷の方へ帰り再び、稽古に戻るか…どちらがよろしいですか?」
この人は全てお見通しだったのだ。
私が稽古から逃げ出したことも、父に反論して期限付きで家を出たことも。
私とテツさん以外すっかり蚊帳の外って感じだ。
「家に戻るのは嫌です。戻るくらいなら…ここで皆さんと一緒に。」
そうだ。絶対戻ってやるものか。

