ダンデライオン

「はい?」

私は訳がわからなくて、忍兄ちゃんのマネをするように首を傾げた。

手紙って何?

忍兄ちゃんからそんなものがきてたかしら?

「おーい、麻子」

全く意志疎通ができていない私たちに、お父さんが店頭に顔を出してきた。

あっ、もう開店時間は過ぎているんだ…。

そりゃ、お父さんも出てくるよね…。

頭の中では冷静に違うことを考えているから、人間はよくできていると思う。

「あっ、おじさんお久しぶりです」

忍兄ちゃんが私のお父さんにあいさつをした。

お父さんは驚いたと言う顔をした後、
「忍くんか!?」
と、大きな声を出した。