ダンデライオン

色素が薄い天然パーマの髪に、少年時代の面影が残っている顔立ち。

長身で華奢な躰に、細身のスーツがよく似合っている。

私が視線を向けたことに、
「久しぶり、アサちゃん」

彼――忍兄ちゃんこと浅井忍は、嬉しそうに笑った。

やっぱり、忍兄ちゃんだ…!

「えっ…あっ、なっ…何で!?」

我ながら、全く日本語になっていない。

いろいろと言いたいことはあるけど、それが上手にまとまらない。

「あれ?

手紙きてないの?」

忍兄ちゃんはそう言った後、不思議そうに首を傾げた。