ダンデライオン

さくらちゃんの店には看板は出ていない。

彼女がママである店は一見さんはお断りと言うシステムだから、看板は出していないのだ。

板チョコレートのようなドアに手をかけると、
「こんばんわー」

私は声をかけると中に入った。

「麻子ちゃん、こんばんわー」

カウンターの中にいるさくらちゃんがあいさつを返した。

「麻子ちゃん、こっち」

星野さんは先にきていた。

私は星野さんの隣の椅子に腰を下ろした。

「おじさん4人組は?」

今の時間にここにいる客が私と星野さんの2人だけと言うことに気づいた。

「今日はレコード店と工場長がきたわ」

私の質問に答えると、さくらちゃんは私の前にお冷を置いた。