ダンデライオン

「お帰りなさい、お父さん」

私はエプロンを身につけた。

「わあ、百合が入ってきたんだ!」

まだ青いつぼみの百合に、私は声をあげた。

「百合だけじゃないぞ、ひまわりも入ったんだ」

お父さんは長細い段ボールの中に入っているひまわりを見せた。

「夏だねえ♪」

鮮やかな黄色がキレイなひまわりを眺めながら、私は答えた。

百合にひまわり――夏の象徴である花に、私の笑顔が自然にこぼれる。

本当に梅雨明けになって、夏がきたんだと嬉しくなる。

「よし、並べるぞ」

トラックから段ボールに入った花を全て出し終えたお父さんに、
「はーい」

私は返事をした。