ダンデライオン

「おはよう、朔太郎」

朔太郎にあいさつを返すと、私は味噌汁のお椀を持った。

ダシの香りがまたいいんだよねえ。

大きくダシの香りを吸い込んだ後、1口すすった。

「今日も美味しいよ」

私が言うと、
「ありがとう、麻子」

朔太郎は嬉しそうに笑った。

朝食を食べ、朔太郎と一緒に後片づけをした後、
「行ってらっしゃーい」

朔太郎を見送った。

彼を見送った後が私の仕事の始まりだ。

「ただいまー」

お父さんが市場から戻ってきた。