ダンデライオン

「昨日、閉店準備をしてた板前見習いの店に行ったんだ。

そこで彼から話を全部聞いた」

「な、何だ…」

忍兄ちゃんが私を見つめてきた。

「もう、幼なじみの関係を壊してもいいんだね?」

そう聞いてきた忍兄ちゃんに、
「うん」

私は首を縦に振ってうなずいた。

「俺はアサちゃんの恋人でいいんだね?」

「いいけど…私の失恋の傷が癒えるまで待つんじゃなかったの?」

そう聞いた私に、
「そのつもりだったけど、いざそうなったら我慢できなくなった」

忍兄ちゃんが笑いながら答えた。

「こ、この間の誠実な態度はどこへ行っちゃったのよ!?」

慌てたように言った私に、
「それが男の悲しい性(サガ)って言うヤツなんだよ」

忍兄ちゃんは私の頭のうえにポンと手を置いた。