ダンデライオン

「忍兄ちゃん」

名前を呼んだ私に、
「どうしたの?」

忍兄ちゃんが言った。

「まだ、私と交わした子供の頃の約束を果たしたいって思ってる?」

そう聞いた私に、
「約束を交わしたその日から今でもずっと思ってるよ。

アサちゃんが俺を見てくれるその日まで、ずっと」

忍兄ちゃんが答えた。

その答えに嬉しくて、私の胸がギュッと締めつけられたのがわかった。

私は、子供の頃からずっと忍兄ちゃんのことが大好きだった。

幼なじみとしてではなく、1人の男として忍兄ちゃんが好きだった。

その気持ちは私が大人になるにつれて、忍兄ちゃん以外の男の人を見るたびに消えてしまっていた。

気づかなかったんじゃなくて、いつの間にか失くしてしまっていたんだ。