ダンデライオン

部屋の隅に重なって置いてある椅子を並べようとした時、
「あっ、あたしがやります」

ノゾミちゃんにさえぎられた。

「でも、もう動いてもいいからって…」

そう言った私に、
「無理は禁物ですよ。

昨日、手術したばかりなんですよね?」

ノゾミちゃんは椅子を3つ並べた。

何だか悪い。

3人が椅子に座ったのと同時に、私もソファーに腰を下ろした。

テーブルのうえに買ったばかりの紅茶と財布とスマートフォンを置いた。

「しかし、麻子も災難だったな」

上野が口を開いた。

「ホント、ビックリしたよ。

健康第一主義のあの麻子が病院に運ばれたって、横町のみんなが大騒ぎしてたよ」

安部はそう言った後、長い脚を組んだ。