ダンデライオン

ベッドのうえで横になっているおじさんの顔に、白い布がかけられていた。

忍兄ちゃんがベッドに駆け寄った。

私とお父さんは彼の後を追うように、歩み寄った。

「忠志くんは…?」

恐る恐るお母さんに聞いたお父さんに、
「忠志さん、たった今息を引き取ったわ…。

くも膜下出血で、職場で突然倒れて、運ばれた時にはもう手遅れだったって…」

お母さんはポツリポツリと呟くように答えた後、両手で顔を隠すようにおおった。

ガクンと、忍兄ちゃんが崩れ落ちた。

「そんな…。

今朝まで、元気だったじゃないか…。

忠志くん、何でだよ…。

何で俺よりも先に逝くんだよ…」

お父さんはグスグスと泣き出した。