ダンデライオン

「忍くん!」

「忍兄ちゃん!」

声をかけた私たちに、忍兄ちゃんが驚いたと言うようにこちらに視線を向けてきた。

私たちは忍兄ちゃんに駆け寄った。

「アサちゃん…。

おじさんも…」

忍兄ちゃんは訳がわからないと言うように、私たちの顔を見つめていた。

「こんなところで何をやってるんだ!?」

お父さんが忍兄ちゃんに言った。

「な、何って…。

何で俺、怒られてるんですか?」

忍兄ちゃんは訳がわからないと言う顔をしている。

「忠志くんが倒れて病院に運ばれたんだ!

なのに、忍くんは何をやってるんだ!?」

そう言ったお父さんに忍兄ちゃんは一瞬驚いた顔をしたけど、
「あの人は、父親でも何でもありません!

10年以上も、ずっとずっと俺を騙してたくせに!」

お父さんに向かって声を荒げた。