ダンデライオン

「忍兄ちゃんに、盲腸のことを言った?」

また質問をした私に、
「あっ、詳しいことを連絡すると言ったのに忘れてた」

お父さんがペチリと頭をたたいた。

詳しいこと?

私の頭の中を読んだと言うように、
「忍くんには麻子が病院へ運ばれたことを伝えたけど、詳しいことはわかったらまた連絡すると言って電話を切ったんだ」

アハハ…と、お父さんは苦笑いをした。

お父さん、忘れるなんてあんまりなんですけど…。

仕方ないか、バタバタしていてそれどころじゃなかった訳だし…。

「また明日、荷物届けにくるから」

そう言ったお父さんに、
「気をつけて帰ってね」

私は言った。

パチリと電気が消されて、病室が暗くなった。

お父さんが出て行ったのを見送った後、私は目を閉じた。